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【2008.07.31 Thursday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
奈良漬の女
昔馴染みの友人と二人、年上の友人宅に招かれたのでありました。彼女のおうちまで出掛けるのは、随分久方振りなのです。

壜の麦酒を4本と葡萄酒を2本、それに瑞西の白黴のチーズを買って、坂道をゆるゆる歩いて呼び鈴を鳴らせば御馳走が待ち受けておりました。我等欠食児童達は、紅玉の様に輝く醤油漬けの魚卵やら、鱶鰭のスープやら、青菜の緑鮮やかな平茸のサラダやら、鳥の酒蒸しやら、その他諸々の料理に飛び掛り、口腹の幸いを得たのでありました。

酒精への耐性が殆ど無いので葡萄酒を足高い硝子の器で三杯もあける頃には、心安き知人の家と言うことも手伝ったか、御機嫌を通り越してうつらうつらと瞼が重くなったのです。二杯目の珈琲を振舞われた辺りで本格的に意識を取り戻し、身を捩りたい程恥ずかしい思いを忍んでいると、もう一人の客がすさまじい勢いで酒瓶を空にしてゆく様に気付いたのでありました。麦酒の大壜3本と、葡萄酒一本はこの女が一人で平らげたようなのです。前から確かに良く飲む人だと思っていたのですが、あ、出して貰った日本酒も一人で湯飲みに注いでいやがる。



長居の非礼を詫び、暇乞いをする頃には友人はぐにゃぐにゃに酔っ払っていたのでありました。夜の細い道をぐらぐらと揺れながら突然に駆け出したり、僅かも行かないうちにしゃがみ込んだり、靴紐を踏みつけて転びかけたり、懸命に謝ってきたり、何故だか逆走を声高に叫んだり、本当に来た道を戻り始めたり、と初めてみる彼女の酔態は中々に興味深かったのです、何をするか判らない相手を押さえ込むのは、同じ性別と言えども筋肉量が平均以下の、脂肪と潤沢なサシの入った震える肉で構成されたヒリッキーには厳しいものがあるのでした。已む無く、或いは叱りつけ、或いは宥めして駅を目指していた私と、車道と側溝が大好き☆な酔っ払いの二人連れの道行きは蝸牛の歩みの如く、漸く目当ての駅に辿り付いた頃には電車は疾うに今日の役目を果たし、鉄の格子が侵入を阻んでいるのでありました。
って言うか、君、臭いよ、吹き付ける熱い息が燗酒の蒸気のようだ、あたくしは君が横にいるだけですっかり酔っ払ってしまいそうだよ、と軟体動物に変じた友人を引き摺るようにしてタクシーに押し込み、相手の財布から勝手に数枚の紙幣を引き抜いて運転手に手渡して、走り去る車を見送ってから私もまた、別の車に乗り込んだのでありました。



今朝届いたメールは一通、「自分で自分が酒臭いです」。
君、そう言えば今日は商談では無かったか。




ところで、昨夜の酒がまだ抜けないのか、或いは草臥れ果て、着衣のままに倒れるように眠ったのが徒を成したか、はたまた勤務先のウォームビズだとか言う名目の光熱費の削減の効果か、朝は震えが止まらない位寒く、昼からは何だか口内の茹だるように熱を持ち、平生は色の無い唇が濃い赤に色づいているのです。


何時も佳境にさし行ったあたりで砂男が目に砂を投げ込みに来る定例会議があるので、目覚ましの錠剤を服用したいのですが、その注意書きには解熱剤との併用は不可ないと記されているのでありました。腫れたような脳味噌と、重たくなる瞼と、どちらを優先すべきなのか、とても、悩ましい。
【2005.11.07 Monday 16:16】 author : 発条 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
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