haranonaka


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【2008.07.31 Thursday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
外食は秋
先週の土曜日は
1.口福
(口の中で崩れる頬肉のカレーと今迄食べなくて人生の何割かを損していたデザート、
中国では国事にて振舞われるとか言う香り高く癖の無い紅茶、
若い方に受けそうな混ぜ節のどっしりした出汁(推定)と斬新な食材の組み合わせでありながら―例えば秋刀魚に梨ですよ秋刀魚に梨大根下しじゃなくて梨下し、それが今迄何故この組み合わせが世に出なかったのかと言うほど舌に喜ばしい。秋刀魚の脂を梨のおろしたのが綺麗にさらって後味がさわやかなのですよ有り得ませんよなんだこれ―きっちり和なお膳。会う人全てに私がどんなに堪能したか一つづつ説明して差し上げたい)
と、
2.眼福
(一寸と七部しかない的を和弓で射抜いていらしたり、更に小さな五分しか無い的に穴が開いてるのを見せていただいたり、
それが魔法使いの手になるものではなくて叡智と技術の結実であることが信じがたいようなミラクル曲球をご披露いただいたり―道すがら栓のされてる麦酒の壜にビリヤードの球を二つ縦に乗せて、ビリヤード台に置いた手球を撞くと麦酒の壜の上の下の球が転げて上の球が達磨落しの要領で留まるって言うお話は、私の脳髄劇場では壜の上に球を一つ留め置くことすら叶いませんでした。何を言っているのかわからねーと思うが俺も何を言っているのかわからなくなった―)
を堪能し、日曜日は
1.眼福
(友人はルーベンスと西瓜のキモイ種がお気に入りの模様であった。私は何故か一寸前からグレコに淡い愛情を抱いており、この度はグレコのキリストの狂信的な眼差しが、メレンデスのポテゴンの光と影が、メングスの大公女マリア以下略のスカートの質感が、スカートの質感が身悶えするほど好きでした。勿論薔薇の頬も絵画にも関わらず口付けたくなるものでしたが。と言うかルネサンスからロココにかけて、絵画で一番目が行くのはあの布の表現力です。と言うか最後に購買のお兄さんが美大生を熱心に口説いているのに聞き耳立て過ぎて色々なことを忘れてしまった気がします。残念。)

2.口福
(偶々、ええ白々しくも重ねて言わせて戴くが、偶々、北海道展を遣っておりましたので海鮮ばら寿司とルタオのドゥーブルフロマージュとプリン*4と季節限定南瓜のチーズケーキと森のいか飯を買い求めて、そのうち寿司とプリン*2とノーマルなルタオ=ドゥーブルフロマージュは名画観賞の後に公園にて友人と共に飽食、いか飯は晩餐に、限定南瓜は朝食二回分に配分された)
に溺れ、


今週の金曜は金曜で外食(タイ料理か割烹。どっちやねん)で来週の木曜日は前団栗豚のガレット食べたお店で秋のコースを戴く予定、と今年の秋は眼福と口福秤にかければ些か口福に梁が傾くようにあります。まああれだ、花より団子に忠実な人生です。




が、

11月に入るとすぐに健康診断を受けねばなりません。つまりは体重を計られて記録を残されてしまうのです。これはいけません。よくない記録は残したくないのです。されど口腹の幸いに背を向ける事はあたくしの主義に反します。甘んじて処刑台に上る所存。後悔しないように自宅の体重計は隠してみたよ!目覆いされた馬の如く、走れ!走れ!
【2006.10.20 Friday 15:09】 author : 発条 | ごはん | comments(5) | trackbacks(0) |
Cutout:苦瓜姫と甘酒王子
週末はとても楽しく過ごしたのですが、お蔭様で幸福に秤の梁が傾きすぎたのか、些か不幸な平日を送っております。即ち、飢えた腹を持余しながら勤め先の机の前に拘束され、美味しいご飯を夢見ている生活を余儀なくされております。一言で申し上げると、残業続きで楽しい週末を反芻し、書き記す時間がありません。きー!

と言う訳で、取り急ぎ遣らねばならぬ事のみ。
それは日曜日、私の都合で繰り伸ばされ続けていた誕生日プレゼントの紙袋の中に、素早く滑り込んだのでありました。それは、ポリ塩化ビニリデンかポリエチレンで出来た透明で柔軟なフィルムに包まれた入浴剤、或いは出汁パック様の物体と、白い包み紙に入った柔らかそうな、そうでもなさそうな物体でした。風変わりな食品に情熱を燃やす友人のくれたそれらは、矢張り食べ物なのでありました。
取り敢えず帰宅して摂食>感想を、と言うことなので感想。


ラップに包まれた物体=ゴーヤ茶パック1L分
友人は「カメムシの味」と評価しておりましたが、倉に放置されて誇りや泥を被った古畳を思わせる香りと軽い苦味のあるお茶でした。
ホットで飲むと香りがきつく感じますが、冷やして飲むと案外に……香りが蒸気に載って拡散しないためか、それとも冷やしている間に味わいを忘れたからか、僅かな苦味にも心驚かせる始末。いや、最近飲んでるのが杜仲茶(冷茶)で色がそっくりだから一瞬悪くなった奴を口にしたのかと……!落ち着いて飲むと決して飲めなくは無いですが、個人的には苦瓜は煎じたりするよりお料理に入ってる方が好き、みたいな。

白い包み紙の中で半分変形したようなしないような物体=甘酒飴
職務中及び運転中或いはその前の賞味はお勧めしかねます。
口の中でぬるぬると軟化する甘味の強い甘酒(固体)だと思えば美味しくいただけるような。ええと、ポケット甘酒、みたいな?

=========
湯豆腐チップスとかさ、今回のこれとかさ、本当に毎回何処で仕込んで来るんだ!
【2006.10.18 Wednesday 12:08】 author : 発条 | ごはん | comments(0) | trackbacks(0) |
春なんだもん
食い物話が続きます。

大阪食い倒れバトル(但し、会場は私の住い)終了後、それなりに反省して遅すぎる晩御飯時のインスタント食中止+ちょこっと運動→体重元に戻る→マルコリーニパフェで台無し→体重計の数値も増えているが取り敢えずふかふかの下腹がヤヴァイ、と言った駄目ッ子ぶりでしたが、今夜のメニュウは、ですね。


タラモサラダ(薬味葱と馬鈴薯と玉葱と明太子とマヨネーズ)
+ホワイトアスパラのボイル
+ホワイトアスパラの皮の部分で取ったスープベースに角切りベーコンと卵のスープ

であら、割とヘルシー?と思いきや、晩餐は会社を退けるのが遅くて午後10時からスタート、然も安い白ワインのコルクを引っこ抜いて、現在、大層ご機嫌でございます。罪深いな、相変わらず。
だって会社帰りに立ち寄ったスーパーで、フレッシュのホワイトアスパラ並んでいたのですもの。この時期にしかお目にかかれない御馳走なれば、そりゃあ料理の神も降りてきてアスパラの袴を外したり皮を剥いたりしてくださるってものです。此処暫くは彼はあたくしをお見限りで、平気でミートソースだけ、スパゲティすら茹でさせずに食べさせたりしてみせていたのだけれども。ジャガイモ含め、調理法が茹でただけじゃないのか、とか、言うな。
それと、ホワイトアスパラの皮を棄てている人は、生きる喜びを一寸棄てていると思うですよ!ホワイトアスパラだけで出来たとは思えぬほど美味しいスープが取れるのに!後、ベーコンはスライスよりブロック。マジで。
取り敢えず、ご近所ではホワイトアスパラの売れ行きが芳しく無いご様子ですから、暫くはあたくしが買い占めさせて戴きます。
【2006.03.27 Monday 23:43】 author : 発条 | ごはん | comments(2) | trackbacks(0) |
罪深きもの、汝の名は
友人夫妻がやってきて、飲めや歌えのワルプスギスの夜を過しておりました。基本的におうち大好きな方々ばかりで、外食は一度だけ、後はしこたま食べ物を用意したり作ったりして、もうおなか一杯で食べられないだけど皿にあるから食えもう駄目です許してくださいこのグラス空けるまで赦さん、なプチフードファイト状態だったのでありました。それは途切れ無い口腹の幸せ、と言うかフォアグラ養成所分校・講師もフォアグラ候補生、の果てに力尽きて就寝の恐ろしい天国なのでありました。

週明けに体重計のデジタル表示が出血大サービスいつもより多く表示しております、な数値を示しているのを見たあたくしは、先ず己が目を疑い、次いで己が脳髄を疑い、後に機械の誤作動なるを疑いましたが、無常の液晶は身体を傾けようが揺すろうが溜息を漏らそうが、幾度でも同じ値をくっきりと表すのでありました。おお、この身体にぶら下がる罪と引き換えの快楽の果実の、実に甘かった事よ。


流石にこれは戴けません。購いはなるたけ早くしなくてはならぬのです。償うべき罪の風雪にさらされて姿形を喪ってからでは、遅い。そんな訳でほんの少し運動してみたり、ほんの少し摂食量に気を遣ってみたりして、どうにか狂宴前夜に目方を戻したあたくし。おお、矢張り一瞬でついた肉ならどうにか短期間に落とせるものだね!でも夏にひきくらぶれば相当のおでぶちゃんです。どれくらいかっつと化粧をしたイメージ自画像と化粧後のリアル顔面が今一つ一致せず、急激な老化で面貌が変わり果てたかを悩む位。老化もアレですが、顔の余白がいっぱいあるから、メイク顔想像図と差異が生じてきてるんだよう、現実見ようよ、発条さん。兎も角、これからは真っ当に生きよう、美味しそうだからって、日付が変わる頃に何か食べるのを止めよう、暫くは暴飲暴食も自重しよう、今年に入ってから異様に甘いもの食べているからこれも制限しよう、要するに健やかな食生活を心がけよう、なあんて殊勝な誓いもたてていたのす。



舌の根も乾かぬ金曜日、フェアーでやってきていたピエールマルコリーニのパフェ食べたさに行列に並ぶ愚か者の姿。薄いのに立派にガナッシュなチョコレート、おいしゅうございました。カカオが鮮烈に香り、官能というかいっそ淫蕩な舌触りのチョコレートアイス、おいしゅうございました。バナナに絡めて食べると幸せでありました。極限まで滑らかにされたチョコレートブラウニーのような、幽かなスプレッド感でパフェにアクセントを添えるチョコレートムース、おいしゅうございました(アイスクリームと比べるとほのかにフルーティーな酸味を感じたような気がするのですが、幻かしらん)。無糖だけれども乳脂肪のどっしりとした底力を感じる、濃厚なチョコレートの海の舌休め的存在の生クリーム、おいしゅうございました。これまで糖質の快楽よりも風味の悦楽に溺れていた舌を引上げる、すっきりした甘味のバニラアイス、おいしゅうございました。といった意思の弱さ加減で、思い切り振り出しに戻って仕舞ったのでありました。良いんだ、幸せだったから。良いんだ、関西でこんなもの食す機会なんて無かったんだから。良いんだ。
顔に肉がつきすぎて、只でさえ扁平な目鼻立ちが更にのっぺりしてきたけれど、良い……いんだよ、放っとけよ!
【2006.03.25 Saturday 10:49】 author : 発条 | ごはん | comments(0) | trackbacks(0) |
投げても良いですか
ねちこい性格の上に、手に入れられないとむきになります。


という訳で昨日、会社帰りにコンビニエンスストア行脚の旅に出たあたくし。3軒目でうろうろしていると、恋人同士でポーションを求めているらしい学生さん二人組が「限定版、ここにも無いねえ」と呟いているのに出くわしたのでありました。そう言えばあのゲーム、パーティー行動だったわよねえ。単身で動くあたくしって、ゲーム的にはどうなのかしら。パーティー組めないと負け組かしら。等と考えてると物悲しくなってしまったので、せめて連中には負けまい、と思い出せる限りの店舗をあたることに心に決めたのでありました。職場が賑やかな場所に近くて、良かった……!


それにしても限定版があった痕跡を残す場所はともかく、通常版すら売り切れとかまで出ているのってどうよ。都会のコンビニ、競争率高すぎです。皆そんなに回復したいのかよ。ファンタジーの力に縋りたいのかよ。そんな困ってるならあたくしが薬草売ってやるよ。ポーションよかお買い得だと思うよ。別のゲームだけどな。ランダムに雑草を押し付けたりもしちゃうけどな!
毒づきつつ街を彷徨い、遂に限定版入手。


取り敢えず開封してみた


壜はコバルト。これこれ、これが欲しかったのよう。飾り栓がプラスティックだとは知っていたのですが、実際の蓋であるアルミキャップとの隙間が思っていたより大きいです。一寸残念。(飾り栓が回転して誤って開封することを防ぐ為らしい)それでもファンタジックなデザインのポーションは通常版:コバルト栄養ドリンク壜よりはずっと回復効果が望めそうなのでありました。



さて、昨日草系飲料を想定していた等と言っておきながら今頃思い出したのですが、あたくしの記憶(FF7止まり)ではゲーム上ではポーションって投げて使っていたような気が。壜が空中で砕けて霊薬が降り注ぎ、光と共に傷が癒えていく、みたいな、要するに飲み物では無いイメージ。現実世界に登場した回復薬もサントリーから発売されているのは何かのカモフラージュだったり、しないのかしら。
【2006.03.09 Thursday 17:38】 author : 発条 | ごはん | comments(3) | trackbacks(0) |
正体を明かせ
一昨日のことです。
もう昨日へと日付が変わるころあいに、平生よりも更にすかんすかんのお財布を携え、あたくしは駅に辿り付いたのでありました。ついつい仕事が長引いて、おそとは疾うにまっくろです。陳列台の間をうろうろとしていると、清涼飲料水の並ぶ区画に、それは並んでおりました。

白い箱に入ったやけに高いお値段の飲料は、プレミアム版のポーションでありました。印刷された青い小壜にファイナルファンタジーは随分やっていないなあ、でもこれ、可愛いし欲しいなあ、と物欲は掻き立てられたのですが、あたくしのお財布は、社会人であることを危ぶまれるほどにすかんすかんなのでありました。晩御飯を手に入れるためには、綺麗な青色を諦めるほかありません。棚にはたんまりある訳だし、急がずとも回復薬にはまた出会えるであろうよ、と思い直してあたくしは店を出たのです。


翌日のお昼間はそんなこともすっかり忘れ果てて暮らしていたのですが、夕方頃から周りで「ポーション売ってない」だとか「限定版見ない」だとか騒がれだし、あたくしはゆうべのことを思い出しました。あれは稀少品であったか、夕食を削ってでも買うべきであったかと後悔しながら店に急いだのですが、案の定、昨日の偉観は幻と消え、残されたポップの踊るも寒々しい陳列棚があたくしを待ち受けていたのでありました。
朝の追加搬入を期待して早起きしても、隙間はちっとも埋まりません。会社の周りのコンビニエンスストアも全て回って遅刻しそうになりながらも手に入れたのは通常版のみ。

回復薬


折角なので通りすがりの同僚と仲良く分け合って戴きました。
軽い酸味の次にハーブ臭が訪れ、後味はビタミンBの錠剤なんかで感じる独特の苦味に似た薬臭さ。流石は回復薬、胡散臭い栄養ドリンクの趣。液状胃薬だとか、眠気覚ましの液体に比べれば飲みやすいですが、素晴らしく美味しいものではありません。でもゲームの中のポーションってもっと草系のヤヴァイ飲料だと思っていたので全く気にならないよ!とあたくしは楽しく口にしていたのですが、一緒に給湯室に篭った同僚は眉根を寄せてふらふらしておりました。予想と食い違ったテイストにダメージを受けた、と申告しておられましたが、あたくしは真実に気付いております。

さてはお前、人ではないね?墓石の下から蘇った死者の類であったのだね?

【2006.03.08 Wednesday 16:27】 author : 発条 | ごはん | comments(2) | trackbacks(0) |
Tongue Lesson
純粋に自分の為に誂えられた食事を摂るのを止めてしまうと、美味しいと不味いの境があやふやになってくるような気がするのです。

この場合の「自分の為のお膳」と言うのは、自分或いは自分に近しい誰か(家族だとか恋人だとか同居する友人だとか)が用意してくれたお皿の事であって、態々予約をしてもお店で配膳される献立の事ではありません。なんとなれば、お店で振舞われるお食事と言うものは、大抵は見目麗しく舌にも喜ばしいものですが、あれらはお金を払ってくださるお客様の為に饗されているのであって、あたくし個人の人となりを識ってあたくしの為に、非営利に振舞われるものではないのです。野菜を刻んでレンジにぶちこむだけでも良いから、時には近しい誰か、或いは自分が包丁を握った食事を摂らねば己の舌の拠り所を見失うよ、と自分に言い聞かせているのです。


要するに外食(黒豆の炊き込み御飯の散らし寿司、おいしゅうございました、韮入りのにゅうめん、おいしゅうございました、ロコモコ、おいしゅうございました、ラタトゥイユグラタン、おいしゅうございました、烏賊のチリソース、おいしゅうございました、結婚式のコース、おいしゅうございました、かぼちゃプリン……はもちょっと美味しくても良かったんだけどなあ)とコンビニ飯とレトルト三昧な生活に味覚が痺れ果ててもう和食だろうが洋食だろうが野菜を食べようが肉を食べようがなんだか、皆同じ味わいの気がする、と言う末期症状に陥ったのと遂にお財布がすかすかになったために、重い腰を上げて包丁を握る日々に立ち戻ったのです。

鶏肉は鶏肉の、牛肉は牛肉の、トマトはトマトの味を取り戻してきたみたい。良かった……!それに、見た目が悪いし決して劇的な美味しさはないけれども、それでも手前が作ったものだと思えば我慢して平らげる事ができる。それで良いじゃないか、作りすぎて太ってもそれはそれで良いじゃないか、何しろ作り手の正気を疑うような酷いお味は、少なくとも自分のお皿からは生まれないしね!



なあんて満足の溜息をついておりましたら、先日のカレー、空腹に急かされて人参が生煮えのままにルウをぶちこんだため、何時までもごりごりとしておりました。普段使いより倍のお値段の高価な奴を選んだ時に限って!
【2005.09.22 Thursday 18:32】 author : 発条 | ごはん | comments(0) | trackbacks(0) |
寿司に霧中
日曜日の事です。台風の影響で午後より雨が降るというので、布団の中に閉じ篭ってくさくさしておりました。お昼をとっくに過ぎたのに、目を開けたり目を閉じたり右を向いたり左を向いたりしておりますと、あたくしの駄目人間振りを神が哀れに思うたのか、電話が鳴ったのでありました。

「雨が降るから車で、鯖街道まで出掛けようじゃないか」

道の駅、朽木宿新本陣をほんの少し福井側に過ぎたあたりにある小さなスーパー・ダイキンで作られた鯖寿司が、あたくしの好物なのです。鯖寿司と言えば花折ですが、良いの。だってあたくし、庶民だから。鼻歌交じりで助手席に乗り込み、大阪から京都を抜けて街道を目指します。スーパーの閉店、19時までは後僅か。急げ、急げ。表に出していたきいろの買い物篭ものぼりも仕舞いかけて、レジに人気も無い店内に無理矢理押し入ってたった一つ残った発泡スチロールを手に取り丁寧にお礼を言うあたくし達。これで無事鯖寿司は手に入れました。然し此処はスーパー、中で飲食可能な訳ではありません。さりとて鯖街道の夜は早く、直ぐ後ろの道の駅は疾うに暗く、余人の入館を拒んでいるのでありました。

ワイパーは最高速で動かされています。道路は水飛沫でけぶるようです。黒々とした山には白くたなびくもの、これが清少納言のうたう春の雲、では無く霧なのです。一寸先は霧。足元ではハイドロプレーニング現象。車輪に巻き込まれた水は人の高さほども跳ね上がって歩道に降り注ぎます。首振り向かせれば来た道も呑み込む深い闇。不意に天井をばたり、ばたりと鳴らすのは頭上の木の枝から零れた雨垂れであるのか、それともまるであれは、まるであれは人の手が車の屋根を叩いているようではないか。でもそんな雨音の不思議より何より、あたしゃ鯖寿司に飢えた腹具合のが余程怖い……!



結局雨の降る中福井まで車は走り、朽木に負けず劣らず真っ暗な道の駅でフロントガラスを転がる雨粒を眺めながら、二人でもりもりと平らげた鯖寿司は相変わらず美味でした。願わくば次回は福井からの帰り道も霧で閉ざされて肝を冷やすような事がありませんように。






車の屋根を叩いたのは、本当は何だったのでしょうか。雨音にしては明瞭
に過ぎたのですが。蔓性植物とか?
【2005.09.08 Thursday 19:42】 author : 発条 | ごはん | comments(0) | trackbacks(0) |
フォアグラ養成所分店
高校卒業以来一人暮らし、非モテ街道、貧乏、独身とくれば郷の両親は忽ちフォアグラ養成所の有能教官に変貌するものです。何しろ彼等の記憶にあるのは大皿を綺麗に片付けてゆく若い体、色気を食い気にコンバートする不思議器官を内蔵する不細工ちゃんなのですから。でももうあたくしは老いた生き物、奇怪な風貌は年月の厳しい風をうけて更に歪みはしたものの、不細工で非モテでじゃあ痩せても痩せなくても一緒ではないか、ならば食え、さらば食え、やれ食えそれ食え満腹中枢を刺激する快楽に食道を滑り落ちる悦楽に味蕾をノックする逸楽に身を委ねよ、なあんてやっていたら覿面に腹を壊すのです。

ごめんねごめんね夏バテしてるのもうそんなに入らないよ一寸で良いンだ許してよだって妹だってあれしか食べてないじゃないかねえさんのあたくしがこんなに食べられる訳無いよ、と低姿勢で愛の鞭を遣り過ごそうとしていたのです。(でも通常の二日分の食料を一日で腹に収める日々)そんな教官達とも昨日でお別れ。手を振る二人を改札に残し、車中の人となったあたくしが本でも読もうと開いた旅行鞄の中身は、知らないうちに隙間にみっしり駄菓子がつめこまれておりました。嗚呼、そう言えば荷造りしてからシャワーを浴びたんだっけ。

ぼろぼろと零れる個包装の水菓子や焼き菓子やチョコレートを書き分けながら本を探していると、稚加榮の明太子まで出てきました。戴きものをそのまま横流ししてくれた様です。有難う、心配してくれて。貴方達の愛情に思わず目頭が熱くなります。


だけどあたくしの住まいは駅から歩いて20分。愛って……重いのね。
【2005.08.16 Tuesday 10:46】 author : 発条 | ごはん | comments(2) | trackbacks(0) |
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